競走馬でいる時間より、
引退してからの時間のほうが、ずっと長いのです。
ツルマルボーイは、27歳まで生きました。 競走馬だったのは、そのうちのわずかな年月です。
本の目次を見ていただくと分かります。 栗東退厩。種牡馬時代。ノーザンホースパーク。駿ホースクラブ。そして終章。 ——十六の章のうち、終わりの五つが、引退してからの時間です。
引退した日で終わる本は、作りません。
競走成績は残ります。血統も残ります。 けれど引退してからの長い年月は、ほとんど記録に残りません。
この本が引き受けているのは、その部分です。 引退してからの時間にも物語があると示すこと。 それ自体が、引退した馬たちのためになると考えています。
ターフを去った日は、
終わりではありません。
引退の記念に、節目の記念に。
お作りになる区切りについては「いつ、作るか」をご覧ください。