愛馬のオーダーメイド美術本

三つの手

一冊の本は、三つの手を渡ります。
描く手、刷る手、収める手。
そのどれが欠けても、
愛馬の記憶は「作品」になりません。

第一

描く手 ── 斉藤いつみ(JRA公認画家)
生まれたばかりの仔馬と、鼻先で触れる母馬を描いた水彩原画
『ありがとう ツルマルボーイ』より 原画「誕生」 画:斉藤いつみ

『週刊競馬ブック』『スポーツニッポン』『馬ライフ』—— 競馬の専門誌の表紙を、長く手がけてきた画家です。 馬主からの制作依頼も多く、元調教師の引退記念アルバムも手がけています。

一頭につき、二十点ほど。すべて描き下ろしです。 その馬の物語に合わせて、点数を増やすこともできます。 写真を引き伸ばすのではなく、生まれた日からの日々を、 一枚ずつ描き起こしていきます。

描かれた原画は、額装してお手元に残ります。 印刷したものではなく、画家が紙に描いた一点きりの絵です。 何点をお渡しするかは、ご相談のときにお決めいただきます。

彼が初めて吐いた白い息は、
冷えきった厩舎に灯る、たったひとつの熱源だった。 ── 『ありがとう ツルマルボーイ』本文より

画家は、この一行を読んで、画面いっぱいに湯気を描きました。 指示した覚えはありません。打ち合わせで生まれる絵ではない、ということです。

原画の部分。母馬の鼻先と仔馬、立ちのぼる白い湯気
同・部分 立ちのぼる湯気と、濡れた産毛
第二

刷る手 ── 京都の美術印刷会社
表紙原画の部分を大きく拡大したもの。一本ずつ描かれた毛と、瞳の光
表紙原画の部分 目のまわりだけを、大きく拡大したもの

上の絵は、トップページに掲げた表紙原画の、 目のまわりだけを切り出して拡大したものです。 一本ずつ引かれた毛。瞳に置かれた、ひと粒の白。 紙に染みて広がった、青。

印刷とは、これを紙の上に「もう一度」起こす仕事です。 美術書や文化財の複製に使われる機械と、絵の具をよく受け止める紙を選びました。 水彩のにじみは、印刷でもっとも失われやすいものだからです。

印刷
コニカミノルタ Accurio Jet KM-1(美術書・文化財印刷にも使われる機)
用紙
ヴァンヌーボV-FS スノーホワイト 四六判 130kg
製本
上製本・表紙は布クロス巻・箔押し
判型
270mm角(正方形)・40ページから
原画の取込
原画そのものを高精細スキャン(複写ではなく)

※仕様は制作の進行にあわせて調整することがあります。

第三

収める手 ── 紀州桐箪笥の工房(和歌山・紀の川)
紀州桐の展示用ブックスタンドに開いて置かれたアートブックの完成イメージ
展示用ブックスタンド 制作:紀州桐箪笥の工房 ※完成イメージです。実物の写真ではありません。

本を作ってしまえば終わり、ではありません。 三十年後にどこにあるか。それを決めるのは、器のほうです。

創業百年を超える、和歌山・紀の川の家具工房です。 経済産業大臣指定の伝統的工芸品「紀州桐箪笥」の技術を受け継いでいます。 本の収納箱と、展示用のブックスタンドを作っていただきます。

桐は、湿気を吸うと膨らみ、乾けば縮みます。 そうやって、箱の中の湿りけをひとりでに一定に保つ。 日本人が、着物と書物を桐に納めてきた理由です。 虫がつきにくく、燃えにくく、そして、軽い。

紀州桐
技術
紀州桐箪笥(経済産業大臣指定 伝統的工芸品)
制作物
アートブック収納箱/展示用ブックスタンド

は、この世に一枚しかありません。
が、その一枚を、渡したい人の数だけ写します。
が、その一冊ずつを百年先へ送ります。

ご相談について

現役の馬でも、引退された馬でも、
すでにお別れになった馬でも、同じようにお受けします。
まだ何も決めていない、という段階で構いません。

ご相談について
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Equus Art Press 代表 松本
info@equusartpress.com
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